台風の夜、屍
台風の夜、みなさん何をしていたのだろう。僕は阿呆なので外をふらついて全身ずぶ濡れになり、傘とサンダルをあの世送りにし、さすがに反省する。うちに帰ってヘルマン・ヘッセを読み、心を清め、心を清めることに飽きると映画を観る。ウォルト・ディズニーの『ファンタジア』。これなら何度観て...
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人生は旅だと思いますし、ヨガの時間もそうであってほしいと思います。そのためにも、“同じレッスンは二度としない”を信条としたい。同じことばかり繰り返していては、旅ではなく日常になってしまいますからね。その場にいるみなさんとの化学反応や、当日の雰囲気を汲み取って、流れを自在に変えていきたいのです。音楽、特にライブ演奏が即興を大切にするように、あるいはすぐれた文章が自然で流暢な流れを生み出すように、毎回が一回限りの(最高の)パフォーマンスであったらと思います。
でも人と人とのあいだに相性はつきものです。したがって僕のレッスンが気に入らなかったとしても、決してヨガのことを嫌いにならないでいただきたい。ヨガは音楽や本と同じくらいの幅広さ、深みを備えた芸術形式だと思いますし、僕がやっていることなどたった一人の歌い手・書き手の悪あがきにすぎません。同じ曲を歌ったとしてもロックミュージシャンと演歌歌手では別のものとなるように、同じメニューを組んだとしても指導者のスタイルによって印象は劇的に変わります。一枚のアルバムを聴いただけで、あるいは一冊の本を読んだだけで音楽や本から遠ざかってしまうのはもったいないことだと思いますし、一人の指導者しか知らないでヨガをやめてしまうのは惜しいことです。僕のレッスンが肌に合わなかった場合でも、どうかほかの教室をあたってみてください。新たな発見や驚きがあるでしょうし、そこでの出会いや経験は人生をより豊かにしてくれるはずです。すぐれた音楽や本との出会いがそうであるように。
最後になりましたが、僕のことを決して“先生”とは呼ばないでください。自分はまだまだ学ぶ側の人間だと思います。先生などと言われていると尊大な人間になってしまいそうでこわい。多少の親愛をこめて“こーへー”と呼び捨てにしてくれたら結構です。そのかわり僕もみなさんのことをニックネームやファーストネームで呼ばせていただきますから。
それでは。レッスンで会える日を楽しみにしています。読んでいただいてありがとうございました。
こーへー